
2026/03/30
ひきこもり経験者の方が社会復帰を目指す時には、復帰へのステップを一緒に歩む仲間や環境が必要です。
長野県で就労支援を行うZEROでは、さまざまなプログラムを通して無理のない社会復帰をサポートしています。
ひきこもりの方を無理なく就労につなげるステップについて、必要な情報をまとめました。
ここでは、ひきこもり状態から無理なく、そして自分らしい方法で社会復帰へとつなげるステップを紹介します。
ひきこもりから社会復帰をするのは簡単なことではありません。
しかし、支援機関や家族と連携することで、一歩ずつ社会とつながり、就労へと進めていくことができます。
「ひきこもり」あるいは「ひきこもり状態」とは、さまざまな要因から就学・就職が難しく、社会との接点がほとんどない期間が半年以上など長期にわたって続くことです。
いじめなど人との関係性でのストレスやトラウマが原因になっていることもあれば、生物学的な要因によって適応が難しく社会から遠ざかってしまうこともあります。
いくつもの要因が複合的に関連していることもありますが、明確な要因がなくてもひきこもり状態になることがあります。
ある機関の調査では、ひきこもりの方の70%以上が「就労したい」という意思を持っていることが明らかになっています。
つまり、ひきこもりの方の多くは「社会と接点をもちたい」、「働きたい」という気持ちがあるにも関わらず、それを実現するのが難しいという状態にあります。
社会復帰が難しいのは、ひきこもりが「当事者だけの課題」ではなく「社会全体で考えるべき問題」であることが関係しています。
内閣府は、15〜39歳の約60%、40〜69歳の約80%の当事者は、1年以上ひきこもり状態にあるという調査結果を公表しています。
一般的に、ひきこもり期間は長ければ長いほど社会復帰が困難になりますが、3年以上、5年以上ひきこもり状態になっているケースも珍しくありません。
一方で、長期のブランクがある人材を採用する企業が少なく、また対人関係に恐怖を感じる特性などへの理解も進んでいるとはいえない状況にあります。
こうした状況が、ひきこもりの当事者の社会復帰を難しくしている要因のひとつです。
しかし、適切な支援を知り、無理なく就労できる受け入れ企業を知ることで、復帰への第一歩を踏み出すことができます。
社会と関わる不安と向き合うのにもっとも大切なのは、ひきこもりについて正しく理解している支援機関とつながることです。
そして、支援機関とつながり、復帰への道を歩むには家族の支援が重要です。
「ひきこもり」とひとことで言い表しても、その状態は人によって異なります。
家族とは話せるという当事者もいれば、ほぼ24時間のすべてを自室で過ごして家族ともあまり話さないという当事者もいます。
どちらの状態であっても、ご家族が問題を抱え込まないことがもっとも大切です。相談窓口や支援機関へ相談し、自立や社会復帰に向けて一緒にサポートをしていきましょう。
また、安心できる環境づくりを心がけるのも家族の大切な役割です。
家庭を「話さなくてもいい」、「ここにいていい」という場所にすることで、ひきこもりの当事者は安心して自分のペースで復帰を目指すことができます。
全国には、厚労省による相談窓口、支援機関があります。
ZEROのある長野県の相談窓口は、「ひきこもり支援センター」と「精神保健福祉に関する相談」があります。
「ひきこもり支援センター」は、ひきこもり当事者だけでなく、家族からの相談も受け付けています。
「精神保健福祉に関する相談」窓口は、ひきこもりだけでなく、心の健康づくり、発達障がいや精神障がいと社会参加について、幅広く相談を受け付けています。
また、若者のひきこもりに特化した「子ども・若者総合相談センター」、「子ども・若者サポートネット」もあります。
さらに、40代前半までの就職を目指す人に対しては「ジェブカフェ信州」という支援機関もあります。
ひきこもりで、なおかつ生活も困窮しているという場合は「生活就労支援センター(まいさぽ)」で生活について相談することができます。
「私の場合はどこに相談したらいいのか‥‥」、「ひきこもりの家族について相談したいけれど、どこから話したらいいの?」という場合は、ZEROでもお話を伺います。
お気軽にご相談ください。
ひきこもりの状態から自分を変えたい時は、1ステップずつ段階を踏んでいくのが良いでしょう。
急に行動を変えるのでは、1つずつできたことを増やしていき社会復帰を目指していくと、自分のペースを守れます。
ひきこもりの方の中には、昼夜逆転の生活を送っているケースも見受けられます。
しかし、日中に太陽光を浴びないと安心感を促すホルモンであるセロトニンの分泌が減少し、うつ病の発症リスクが高まってしまいます。
体内時計がズレることで、意欲が低下したり不安感が強まったりする可能性もあるので、少しずつ逆転したライフスタイルを元に戻してみましょう。
・就寝時間
・食事時間
この二つを徐々に整えていき、余裕が出てきたら散歩や軽い運動を一日のスケジュールに組み込んでみるのもリズムを整えるためには有効です。
外に出ることができたら、支援活動にも参加してみましょう。
もしも、ひきこもりの原因がトラウマや何らかのストレスである場合、メンタルクリニックや精神科、心療内科を受診するのも、社会復帰を目指す大切なステップです。
受診することで、現在の自分の状態を客観的に知ることができます。
ひきこもり状態が長期にわたる方や、不登校を経て就労せずにひきこもりとなっている方は、コミュニケーションスキルや、ビジネスマナー等を学ぶことで、自分に自信をもつことができるようになります。
生活リズムを整え、必要なスキルを身につけると、少しずつ就労準備を始めても良いタイミングです。
就労についての不安は、就労支援を通じて軽くすることができます。
一緒に無理なく働ける仕事にチャレンジしていきましょう。
すぐに就労するのが難しい場合は、アルバイトやボランティアで社会参加をまず経験するのも良い方法です。
ひきこもり状態から社会復帰を目指すには、「無理をしないこと」と「社会の接点を少しずつ増やしていくこと」が何より大切です。
就労のように「連続した接点」をもつのに不安がある場合は、アルバイトやボランティアといった「スポット(点)の関わり」を体験しながらゆっくり復帰を目指しましょう。
厚労省では、「中高年の活躍支援」というタイトルでひきこもり状態から社会復帰を果たした方の体験談を公表しています。
この体験談を読むと、精神的に安心して働き続けるためのポイントがみえてきます。
正社員として勤務後、転職を経て3年間のひきこもり状態を経験した男性(44歳)は、集合形式のプログラムを通して「頼られる経験」をしたことが糧になったと語っています。
プログラムが終わった後も、参加した仲間と連絡を取り合うことが励みになり、「自分のペースでいい」と「仲間も頑張っているから自分も」という気持ちを良いバランスで持ち続けているのが、就労の意欲になっているとのことでした。
この経験談からは、同じような経験をした仲間がいると、2つのメリットがあると分かります。
1つは同じ不安を分け合うことで「自分は一人ではない」、「仲間が頑張っているから自分もできる」という勇気が得られることです。
もう1つは見逃されがちですが、「強みや得意なことが違う人たちと互いに頼り・頼られる」という経験です。これは、一人では得られない経験です。
そしてこの経験は、会社という組織で長く就労するためにも重要なものになるはずです。
男性のコメントには、相談員の「自分のペースでいい」という言葉が励みになったとも記されていました。
がんばろうと思う気持ちは、自分を肯定してくれる人や場所があるからこそ出てきます。
当事者の家庭や相談員から、「がんばっているね」、「そのペースでいい感じだよ」と認めてもらうことで、精神的な安心を得られれば就労も継続していけるでしょう。
ひきこもり状態の中には「支援を受けたら早く就労しなくては」と自分を追い込んでしまう方もいます。
しかし、安定して長く就労するためには、一歩ずつ焦らずにできることを増やしていくことが何より重要です。
仲間や相談員と一緒に活動することで、「焦らなくても自分はここまでできたから大丈夫」と客観視できるようになり、結果として長期的な良い結果へとつながっていきます。
ひきこもりは、要因や期間に個人差があり、当事者の数だけ社会復帰への道があります。それぞれに合った最適な道筋をZEROと一緒に探していきましょう。
ZEROは、無理なく継続して就労できるゴールや、社会と関わっていける未来へ向かうサポートをしています。
困ったことや不安なことは気軽にご相談ください。

2026/03/02
一般就労は、企業とご自身が雇用契約を結んで働く働き方です。
応募の際は一般枠のほかに障がい者雇用枠があり、合理的配慮が必要な場合は障がい者雇用枠に応募する方が働きやすい環境を得られる可能性があります。
いきなり一般就労を目指すのが難しい場合は、福祉的就労を経てから一般就労へ移行するのが良いでしょう。
福祉的就労にはA型とB型があり、一般就労よりも短時間で働けるなどメリットがあります。
本記事では、一般就労についての解説と、一般就労を目指す上で活用したい就労支援制度についてまとめています。
読んでいて分からないことがあれば、お気軽にZEROへお問い合わせください。
一般就労と福祉的就労の違いは、働き手の立場の違いです。
一般就労と福祉的就労の雇用について、そして仕事内容と量や賃金の違いについて、詳しく解説します。
障がいのある方が、企業・公的機関へ就労することを「一般就労」といいます。
一般就労の場合、働き手(障がい者)の立場は労働者です。
働き手は、企業と雇用契約を結んで働きます。賃金は雇用契約に基づいて支払われ、社会保険に加入することもできます。
なお、一般就労の場合、原則として働き手が個人の判断で仕事内容を変えたり、勤務時間を変更したりすることはできません。
障がいを持っている方が、そうでない方と同等の勤務条件で働き、能力を活かす働き方を一般就労といいます。
「福祉的就労」は、働き手(障がい者)が労働者であり、なおかつ福祉サービスの利用者である点が一般就労と異なります。
福祉的就労では、心身の状態や障がいの種類によって、働く時間や仕事内容を調整することができます。長時間の労働が難しい場合は、事業所のサポートを受けながら、できる範囲で作業をすることが可能です。
福祉的就労は、企業ではなく障がい者就労施設と契約して就労します。
賃金形態は、就労継続支援A型・B型によって違いがあります。
A型は労働法が適用され、最低賃金が保証されます。
B型は、雇用契約を結ばないので、賃金ではなく「工賃」が支払われます。これは作業の成果報酬なので、最低賃金の保証はありません。
就労継続支援A型は、働き手と事業所が雇用契約を結んで就労する働き方です。
事業所で作業をしながら、一般就労の必要なスキルやコミュニケーションについて学び、技能を身につけることができます。
主な作業内容は、一般就労と大きく違いはありません。
・ホテルや施設の清掃
・PCを使った事務仕事
・商品の梱包
・飲食店の接客や調理
・部品加工等の軽作業
これらの業務の中から、得意なことや興味があることを探し、やってみたい作業を選びます。
一般就労よりも短時間の勤務ができる場合もあり、1日あたりの作業時間は4〜8時間が一般的です。
就労継続支援B型は、事業所と働き手が雇用契約を結ばない形態です。
最低賃金は保証されていませんが、A型のように雇用契約を結んで働くことが難しい時には無理なく働けるというメリットがあります。
一般的な作業内容には、次のような種類があります。
・農作業
・部品加工
・お菓子やパンの製造
・PCのデータ入力
・クリーニング
・飲食店の調理部門
これらの作業を通じて、就労に必要なスキルを身につけることができます。
就労にブランクがあったり、初めて就労するという場合は、まず福祉的就労からスタートして、作業や仕事に慣れてから一般就労へ移行するという方法もあります。
福祉的就労から一般就労へ移行する場合は、直接移行して成功するケースもありますが、ほとんどの方は「就労移行支援」を利用して一般就労を目指します。
移行支援を利用しないで一般就労を目指す場合、福祉就労A型では移行率が約20%、B型では約10%にとどまりますが、移行支援を利用することで約50%以上の方が一般就労へスムーズに移行できたというデータもあります。
福祉サービスを利用することで、無理のない就労が可能になり、継続するためのサポートを受けることができます。
企業への就職に困難さを感じている場合は、サポートを活用してみましょう。
では、具体的に就労支援サービスや制度について見ていきましょう。
いきなり一般就労を目指すのではなく、自分のペースで進めていくことが、継続的な就労には何より大切です。
自分の得意なことや興味のあることを見つけて、就労に必要なスキルを身につけていきましょう。
就労移行支援制度は、難病や障がいを持っている方が一般企業で働くための支援を提供する制度です。
18歳から64歳までを対象としており、原則として2年間利用できます。
就職活動のサポートだけでなく、カウンセリングやビジネススキルの習得、就労に向けた実践的なトレーニングなどさまざまな支援を受けられます。
なお、サービスの利用料は前年度の世帯収入に応じて変動します。
就労継続支援制度は、一般就労が難しい方へ提供している制度です。
就労継続支援A型とB型が、この支援制度に該当します。
就労継続支援制度を利用する場合、状況に応じてB型からA型へ移行したり、A型から一般就労へ移行したりすることもできます。
A型は雇用契約を結び、賃金を受け取ることができる就労形態です。社会保険にも加入できます。
B型は、雇用契約を結ばず、工賃という形で報酬を受け取ります。
A型、B型ともに一般就労よりも短時間での就労が可能なので、まずは働く感覚をつかんでみたい、無理のない範囲で就労を体験したいという場合に利用しやすい制度です。
就労移行支援制度は、一般就労へ移行した障がい者の方が、働き続けられるようにサポートする制度のことです。
企業と利用者の間を取りもち、就労環境のヒアリングや、相談、助言を行います。
就労移行支援制度は最長3年間利用できます。
また、3年が経過した後も障がい者就業・生活センターなど適切な機関が支援を引き継ぎます。
企業就職(一般就労)は、障がいのない方と同じ条件で勤務することが原則ですが、障がい者を受け入れるための合理的配慮はあります。
一般就労の求人には、「一般枠」と「障がい者雇用枠」の2種類に分かれています。
一般枠は障がいの有無に関わらず応募することができますが、障がい者雇用枠は障がいによって何らかの配慮を必要とする方のための枠になっています。
一般枠では合理的配慮が受けられない可能性もあるため、何らかの配慮を希望する場合は障がい者雇用枠に応募すると良いでしょう。
具体的な合理的配慮の例には、通院によるシフトや勤務時間の考慮、業務内容の調整があります。
なお、一般枠で応募する場合、障がいのない求職者の方と同じ採用基準が適用されます。そのため、障がいが理由で行うのが難しい業務があると、選考が不利になるケースもあります。
一般就労を目指すためには、2つの雇用枠を理解し、自分の状態や能力に合う企業や業種を探す必要があります。
ZEROでは、いきなり一般就労を目指すのではなく、福祉的就労B型を経て無理なく一般就労へ移行できるような仕組みを整えています。
一般就労に向けた生活訓練・職業訓練では、仕事をする上で必要なコミュニケーション能力やPCのスキルをはじめとした多くのプログラムが用意されています。
訓練はまず、面談で苦手なことや目指したいことを丁寧にヒアリングし、就労に向けた計画書を作ることから始まります。
スキルの習得から実務的なトレーニングまでをサポートし、一般就労とその継続を見守っていきます。
その上でもっとも大切なのが「企業へ一般就労したい」というご自身の気持ちです。職業訓練の実施は、一般就労に向けたスキル獲得に意欲的であることが条件になります。
就労移行支援制度を利用できる2年間で、一般就労を実現できるスキルを身につけるために、まずは「一般就労をして〇〇を叶えたい」というモチベーションをもつことから始めてみましょう。
一般就労を目指すためには、就労移行支援制度を利用しますが、この支援制度を受けている間は原則として事業所から報酬・給与・工賃は発生しません。また、原則としてアルバイトをすることも許可されません。
そのため、制度を利用している間の生活費は親族の支援や貯金の切り崩しが必要となります。
それらが難しい場合は、貸付制度や給付金を利用することもできます。
必要な準備や利用できる制度は、個々の要件や前年度の収入によって異なります。
まずは特定非営利活動法人ZEROへご相談ください。
ご自身の無理のないペースで就労へ向けて準備を進めていきましょう。




