
2026/03/02
一般就労は、企業とご自身が雇用契約を結んで働く働き方です。
応募の際は一般枠のほかに障がい者雇用枠があり、合理的配慮が必要な場合は障がい者雇用枠に応募する方が働きやすい環境を得られる可能性があります。
いきなり一般就労を目指すのが難しい場合は、福祉的就労を経てから一般就労へ移行するのが良いでしょう。
福祉的就労にはA型とB型があり、一般就労よりも短時間で働けるなどメリットがあります。
本記事では、一般就労についての解説と、一般就労を目指す上で活用したい就労支援制度についてまとめています。
読んでいて分からないことがあれば、お気軽にZEROへお問い合わせください。
一般就労と福祉的就労の違いは、働き手の立場の違いです。
一般就労と福祉的就労の雇用について、そして仕事内容と量や賃金の違いについて、詳しく解説します。
障がいのある方が、企業・公的機関へ就労することを「一般就労」といいます。
一般就労の場合、働き手(障がい者)の立場は労働者です。
働き手は、企業と雇用契約を結んで働きます。賃金は雇用契約に基づいて支払われ、社会保険に加入することもできます。
なお、一般就労の場合、原則として働き手が個人の判断で仕事内容を変えたり、勤務時間を変更したりすることはできません。
障がいを持っている方が、そうでない方と同等の勤務条件で働き、能力を活かす働き方を一般就労といいます。
「福祉的就労」は、働き手(障がい者)が労働者であり、なおかつ福祉サービスの利用者である点が一般就労と異なります。
福祉的就労では、心身の状態や障がいの種類によって、働く時間や仕事内容を調整することができます。長時間の労働が難しい場合は、事業所のサポートを受けながら、できる範囲で作業をすることが可能です。
福祉的就労は、企業ではなく障がい者就労施設と契約して就労します。
賃金形態は、就労継続支援A型・B型によって違いがあります。
A型は労働法が適用され、最低賃金が保証されます。
B型は、雇用契約を結ばないので、賃金ではなく「工賃」が支払われます。これは作業の成果報酬なので、最低賃金の保証はありません。
就労継続支援A型は、働き手と事業所が雇用契約を結んで就労する働き方です。
事業所で作業をしながら、一般就労の必要なスキルやコミュニケーションについて学び、技能を身につけることができます。
主な作業内容は、一般就労と大きく違いはありません。
・ホテルや施設の清掃
・PCを使った事務仕事
・商品の梱包
・飲食店の接客や調理
・部品加工等の軽作業
これらの業務の中から、得意なことや興味があることを探し、やってみたい作業を選びます。
一般就労よりも短時間の勤務ができる場合もあり、1日あたりの作業時間は4〜8時間が一般的です。
就労継続支援B型は、事業所と働き手が雇用契約を結ばない形態です。
最低賃金は保証されていませんが、A型のように雇用契約を結んで働くことが難しい時には無理なく働けるというメリットがあります。
一般的な作業内容には、次のような種類があります。
・農作業
・部品加工
・お菓子やパンの製造
・PCのデータ入力
・クリーニング
・飲食店の調理部門
これらの作業を通じて、就労に必要なスキルを身につけることができます。
就労にブランクがあったり、初めて就労するという場合は、まず福祉的就労からスタートして、作業や仕事に慣れてから一般就労へ移行するという方法もあります。
福祉的就労から一般就労へ移行する場合は、直接移行して成功するケースもありますが、ほとんどの方は「就労移行支援」を利用して一般就労を目指します。
移行支援を利用しないで一般就労を目指す場合、福祉就労A型では移行率が約20%、B型では約10%にとどまりますが、移行支援を利用することで約50%以上の方が一般就労へスムーズに移行できたというデータもあります。
福祉サービスを利用することで、無理のない就労が可能になり、継続するためのサポートを受けることができます。
企業への就職に困難さを感じている場合は、サポートを活用してみましょう。
では、具体的に就労支援サービスや制度について見ていきましょう。
いきなり一般就労を目指すのではなく、自分のペースで進めていくことが、継続的な就労には何より大切です。
自分の得意なことや興味のあることを見つけて、就労に必要なスキルを身につけていきましょう。
就労移行支援制度は、難病や障がいを持っている方が一般企業で働くための支援を提供する制度です。
18歳から64歳までを対象としており、原則として2年間利用できます。
就職活動のサポートだけでなく、カウンセリングやビジネススキルの習得、就労に向けた実践的なトレーニングなどさまざまな支援を受けられます。
なお、サービスの利用料は前年度の世帯収入に応じて変動します。
就労継続支援制度は、一般就労が難しい方へ提供している制度です。
就労継続支援A型とB型が、この支援制度に該当します。
就労継続支援制度を利用する場合、状況に応じてB型からA型へ移行したり、A型から一般就労へ移行したりすることもできます。
A型は雇用契約を結び、賃金を受け取ることができる就労形態です。社会保険にも加入できます。
B型は、雇用契約を結ばず、工賃という形で報酬を受け取ります。
A型、B型ともに一般就労よりも短時間での就労が可能なので、まずは働く感覚をつかんでみたい、無理のない範囲で就労を体験したいという場合に利用しやすい制度です。
就労移行支援制度は、一般就労へ移行した障がい者の方が、働き続けられるようにサポートする制度のことです。
企業と利用者の間を取りもち、就労環境のヒアリングや、相談、助言を行います。
就労移行支援制度は最長3年間利用できます。
また、3年が経過した後も障がい者就業・生活センターなど適切な機関が支援を引き継ぎます。
企業就職(一般就労)は、障がいのない方と同じ条件で勤務することが原則ですが、障がい者を受け入れるための合理的配慮はあります。
一般就労の求人には、「一般枠」と「障がい者雇用枠」の2種類に分かれています。
一般枠は障がいの有無に関わらず応募することができますが、障がい者雇用枠は障がいによって何らかの配慮を必要とする方のための枠になっています。
一般枠では合理的配慮が受けられない可能性もあるため、何らかの配慮を希望する場合は障がい者雇用枠に応募すると良いでしょう。
具体的な合理的配慮の例には、通院によるシフトや勤務時間の考慮、業務内容の調整があります。
なお、一般枠で応募する場合、障がいのない求職者の方と同じ採用基準が適用されます。そのため、障がいが理由で行うのが難しい業務があると、選考が不利になるケースもあります。
一般就労を目指すためには、2つの雇用枠を理解し、自分の状態や能力に合う企業や業種を探す必要があります。
ZEROでは、いきなり一般就労を目指すのではなく、福祉的就労B型を経て無理なく一般就労へ移行できるような仕組みを整えています。
一般就労に向けた生活訓練・職業訓練では、仕事をする上で必要なコミュニケーション能力やPCのスキルをはじめとした多くのプログラムが用意されています。
訓練はまず、面談で苦手なことや目指したいことを丁寧にヒアリングし、就労に向けた計画書を作ることから始まります。
スキルの習得から実務的なトレーニングまでをサポートし、一般就労とその継続を見守っていきます。
その上でもっとも大切なのが「企業へ一般就労したい」というご自身の気持ちです。職業訓練の実施は、一般就労に向けたスキル獲得に意欲的であることが条件になります。
就労移行支援制度を利用できる2年間で、一般就労を実現できるスキルを身につけるために、まずは「一般就労をして〇〇を叶えたい」というモチベーションをもつことから始めてみましょう。
一般就労を目指すためには、就労移行支援制度を利用しますが、この支援制度を受けている間は原則として事業所から報酬・給与・工賃は発生しません。また、原則としてアルバイトをすることも許可されません。
そのため、制度を利用している間の生活費は親族の支援や貯金の切り崩しが必要となります。
それらが難しい場合は、貸付制度や給付金を利用することもできます。
必要な準備や利用できる制度は、個々の要件や前年度の収入によって異なります。
まずは特定非営利活動法人ZEROへご相談ください。
ご自身の無理のないペースで就労へ向けて準備を進めていきましょう。

2026/01/30
はじめに.
生活保護の受給、就労支援の利用は、併用できます。
どちらが先でも可能ですが、一般的に多いのは、生活保護の申請を完了させてから就労支援を検討するという順番です。
今回は、生活保護を受給しながら就労支援を受ける場合の一般的な流れ、注意点などをまとめました。
就労支援は、障がいや疾患のある方が無理なく、そして継続的に働くためにさまざまなサポートをする制度です。
就労支援の主な目的は、障がいや病気、個々の特性に応じたサポートを受けながら職業訓練、職場体験など「働くためのスキル、経験」を身につけることです。
就労支援は「働きたいのに制約などにより働けない」状態にあることが利用条件なので、アルバイトはやむを得ない事情がない限り原則として禁止されています。
これは、アルバイトができる状態は「単独での就労が困難である」という就労支援サービスを受ける前提条件と反しているためです。
しかし、預貯金が充分でなかったり、家族からの援助がなかったりすると、就労支援を受けている間の生活に困窮する可能性があります。
そんな時は、生活保護を検討しましょう。
生活保護を受給することで、自立した生活を送ることができるようになります。
生活保護と就労支援(就労移行支援)は、こうした関係にあります。
よって、併用することが可能です。
生活保護制度の目的は、2つあります。
1つは「健康で文化的な最低限度の生活の保障」です。
2つめは「自立の助長」です。
2025年の生活保護を受給している方の人数は、約200万人です。
リーマンショックや東日本大震災で一時的に増加した時期もありますが、近年はゆるやかな増減を繰り返しながら200万人前後で推移しています。
生活保護を受給している人のうち、どれくらいの割合が就労支援を利用しているかというデータはありませんが、受給者の約半数は就労について何らかの支援を併用しているといわれています。
なお、生活保護と就労支援の併用には一定の条件が必要になります。
次の項で、詳しくみていきましょう。
繰り返しになりますが、就労移行支援と生活保護は併用できます。
併用できる条件と、利用までの一般的な流れ、注意点をまとめました。
生活保護と就労以降支援を併用するには、以下の4つの条件すべてを満たしている必要があります。
最低生活費は、法律で定められた最低限の生活を送るのに必要な費用のことです。
最低生活費は居住地、世帯人数と世帯の年齢構成によって変動するため、自治体に確認が必要になります。
東京都では単身者で月額10〜13万円程度が目安とされています。
生活保護の受給は「働きたくても働けない」状態であることを、第三者によって証明してもらう必要があります。
病気やケガの場合は医師の診断書、障がいのある方は障がい者手帳や、医師かそれに準ずる立場の人による証明書を提出します。
家族・親族から生活費の援助が受けられる場合は、生活保護よりも援助が優先されます。
土地・家屋、預貯金などの資産がある場合、売却して生活費に充当することが生活保護よりも優先されます。
原則として車も保有は認められません。しかし例外として、公共交通機関が少ない地域や車がないと日常生活を送るのが難しい、子供の送迎に不可欠であるというケースでは車を保有したまま生活保護を申請できる場合もあります。
エアコン、ストーブ、冷蔵庫、電子レンジといった生活に必要な家電は「生活必需品」なので保有したまま生活保護を申請できます。
生活保護受給と就労支援を併用したい場合、一般的にはまず生活保護の申請を行うことになります。
生活保護の申請は、住んでいる地域の福祉事務所が担当しています。生活保護担当の窓口があるので、相談してみましょう。
福祉事務所では、今の経済状況、就労の有無などをヒアリングして、生活保護が必要かどうかの確認が行われます。
ヒアリング後、生活保護の申請書を提出します。
福祉事務所は、申請書に書かれた内容に基づいて次のような調査を開始します。
・家庭訪問(生活状況の調査)
・資産調査(預貯金、不動産、保険など)
・働ける状態かどうかの調査
・家族や親族が援助できるかどうかの調査
これらの調査内容を総合的に判断して、支給の可否が決定されます。
なお、生活保護支給についての回答は、原則として申請してから14日以内に行われます。
生活保護を受給している場合、就労移行支援の利用料は無料になります。
就労移行支援の自己負担額は、所得ごとに区分があり金額が決められています。生活保護を受給している場合、もしくは区分「低所得」の市町村民税非課税世帯は、利用料が無料です。
しかし、利用料が0円でも、交通費や昼食代などの実費は原則として自己負担となるので注意が必要です。
生活保護を受給していても、障害年金を申請することはできます。
しかし、障害年金は生活保護において収入とみなされるため、障害年金の支給額は生活保護から減額されることになります。
また、障害年金の支給額が生活保護を上回った場合、生活保護の受給は終了します。
就労支援の利用は、自立した生活のための大きな一歩です。
生活保護を受給することで、より安定した状態でスキルを身につけたり、トレーニングを行ったりしやすくなるでしょう。
生活保護を受給しながら就労支援を利用する場合、知っておくと役立つポイントが2つあります。
生活保護受給者の就労支援サービスの利用は無料ですが、交通費などは原則自己負担となります。
しかし、社会保険料、税金、交通費は「必要経費」として、収入認定時に控除されます。
勤労のための被服費や教養費なども、必要経費として控除の対象になります。
これを「勤労控除」といいます。働いて得たお金がなるべく手元に残るようにすることで、就労への意欲を高める仕組みになっています。
なお、「収入認定」とは、受給者の得る金銭(給与、年金、仕送りなど)を生活保護費から差し引く計算のことです。
生活保護と就労支援は併用することで、より安定した状態で自立へ向かいやすくなります。
スムーズにサービスが受けられるよう、就労支援と制度利用の流れについて、かんたんにおさらいしておきましょう。
就労支援、就労移行支援とは、障がいや病気によって就労が困難な方をサポートする制度です。
就労するために必要なスキルの習得、訓練を行うほか、就労後も継続的に働けるよう支えていきます。
まずは、「見学」からスタートします。
実際に事業所を見学したり、現状を相談したりすることが就労への第一歩となります。
本格的に利用する前に、一ヶ月程度のお試し期間である「体験」が設けられています。この期間に事業所との相性や、この環境で頑張れるかどうかといった部分をチェックすることができます。
体験期間と前後して、支援内容の説明があります。この事業所で頑張れると感じたら「利用申請」、「認定調査」に進みます。
自治体の障害福祉課へ利用申請を提出すると、ヒアリング調査など就労支援の利用に必要な手続きが行われます。
就労支援は、一ヶ月程度の「体験」以外に「暫定支給」の期間があります。
暫定支給の期間は約一〜二ヶ月で、この間に改めて利用者にとって適切なサービスかどうかを見極めることができます。
それと並行して、利用者一人ひとりに合わせた個別の支援計画書が策定されます。
就労支援は、生活保護を受給していても、この計画書に沿って最長2年間利用することができます。
生活保護と就労支援について、よくある質問をまとめました。
Q:今現在、暮らしに困っています。自立するためには、生活保護と就労支援のどちらから先に相談するのがいいですか?
A:まずは、先に生活保護の申請を行うと良いでしょう。生活保護を申請するとケースワーカーとの面談を通して、就労支援が適切な状態かどうかを判断できます。
Q:車を処分しないと生活保護の受給はできないのですか?
A:自動車は原則的に「資産」とみなされます。
しかし、子どもの送迎に不可欠であるなど正当な理由があれば、車を保有したまま生活保護を申請することもできます。
担当者に相談してみましょう。
Q:就労支援のサポートを受けている間にアルバイトはできますか?
A:原則として、就労移行支援を受けながらのアルバイトは禁止されています。やむを得ない事情がある場合は許可されることもありますが、無許可でアルバイトをすると支援打ち切りのリスクがあるのでやめましょう。
隠れてアルバイトをするよりも、生活保護を申請した方が、安心して自立へのサポートを受けることができます。
就労支援は、生活保護の受給と併用できる福祉サービスです。
どちらも、生活や就労に困難を感じている方をサポートする制度であり、無理のない方法で自立するための道筋を一緒に検討してくれる担当者がいます。
ZERO(ゼロ)では、就労支援を通じて継続的な就労を支援しています。
継続的な就労の先にある安定した生活、自立した暮らしに向けてサポートします。
気軽に相談や見学にお越しください。




