
2026/05/26
就労継続支援B型は、障がいのある方や難病を抱える方が、雇用契約を結ばずに無理なく就労するための福祉サービスです。
カフェでの接客やデータ入力、清掃、リサイクル作業、製造、園芸といった作業を通して社会参加やビジネススキルの獲得を目指します。
今回は、就労継続支援B型でよく行われている9種類の作業についてまとめました。
気になる工賃や心強い支援制度についても紹介しています。
就労継続支援B型は、福祉サービスです。
一般企業での就労が困難な方を対象に、働く場所や社会参加の機会を提供しています。
B型を利用するためにはいくつかの条件があります。
・企業で就労経験があり、体力や年齢的に就労が難しくなった方
・50歳に達している方、あるいは障がい基礎年金1級受給者
・上記以外でも、就労移行支援事業所などで就労に関する課題があるとされた方
当てはまるかどうか分からない場合は、まず市区町村の福祉課に相談してみましょう。
就労継続支援B型事業所は、雇用契約を結ばずに働けるのが最大のメリットです。
日によって体調に波がある方や、一般企業での就労が難しい方でも、自分の体調や特性に合わせて就労できます。
就労時間も、一般就労と比べると短いのが特徴です。
一般的に1日に2〜4時間ほど作業を行うことが多く、毎日が難しい場合は週2日、週3日など負担の少ない通所頻度を選ぶことができます。
継続できそうだと感じたら、週5日通所することもできます。
このように自由度が高いのが、就労継続支援B型のメリットです。
就労継続支援B型は、この特徴から年齢や障がいの程度によってA型から移行する方もいます。
反対に、まず就労継続支援B型から社会参加の機会を持ち、A型へ移行することを目標とする利用者の方もいます。
就労継続支援にはA型とB型があります。これらと就労移行支援という3つのサービスについて、違いが分かりやすいよう一覧にまとめました。
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就労継続支援A型 |
就労継続支援B型 |
就労移行支援 |
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主な目的 |
一般就労への前段階として働く場を提供する |
生産活動(軽作業)と社会参加の場を提供する |
一般企業への就職と定着に向けた準備を行う |
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対象年齢 |
原則18歳〜65歳未満 |
なし(65歳以上は原則B型を利用する) |
原則18歳〜65歳未満 |
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収入 |
最低賃金以上を保証 |
工賃(最低賃金の適用外) |
原則なし |
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雇用契約 |
結ぶ |
結ばない |
結ばない |
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利用期間 |
制限なし |
制限なし |
原則、最長2年 |
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向いている人 |
一般的な労働時間に近いため一定の支援があれば働ける人に向いている |
体調に波があるため無理のないペースで働きたい人に向いている |
一般企業での就労を目指しているが、スキルや体調に不安があり、支援を受けたい人に向いている |
就労継続支援B型で仕事として行われる作業には、「軽作業」、「サービス」、「IT」、「清掃」、「製造」、「農業系」などさまざまな種類があります。
ここでは、全国的によく行われている作業を9つみてみましょう。
商品の袋詰めをしたり、パンフレットの折り込みをしたりする作業は、B型事業所で一般的に行われるものです。
シールやラベルを商品に貼る、箱を組み立てるといった作業もあります。
単調な作業ですが、集中力を養うトレーニングにもなります。同じ作業をコツコツこなせる人に向いている作業です。
サービス系の作業には、「接客や販売」と、「事務作業」があります。
カフェでの接客、コンビニでの補助作業は人と接する機会が多いため、コミュニケーションスキルを身につけたい方に適しています。
また、製造した商品を販売することで自信をつけたり、達成感を得たりする効果も期待されます。
事務作業では、資料のコピーや電話対応、郵便物の仕分けといったオフィスの作業が主になります。基本的なビジネススキルを身につけたい利用者の方に向いています。
ITスキルを身につけると、パソコン入力やデータ作成の作業を行うこともできます。
これは、A型への移行を目標としている方や、ひきこもりなどを経て基本的なビジネススキルを身につけたいと考えている方に向いています。
プログラミングやデザイン、動画編集のスキルを身につけると、WEB制作やメディア制作を行うこともできます。
清掃業務は、ホテルやオフィスビル、各施設といった屋内の業務だけでなく、公園やトイレなど屋外、スポット清掃など多様な種類があります。
初めての方でも取り組みやすく、スタッフからアドバイスやサポートを受けて作業しやすい業務です。
複数人で協力して作業することで、コミュニケーションスキルを身につけることもできます。
商品に問題ないかどうかをチェックする検品や、DMの封入作業などもB型事業所の仕事としてよく行われています。
手先を動かすことがリハビリになる、集中力の維持につながるというメリットもあります。スタッフの指示をもとに取り組んでいくので、初めてでも安心です。
リサイクル作業とは、古紙回収やアルミ缶の回収と分別などの作業です。
他に、資源ごみを分別する作業もあります。
複数人で作業をするため、社会と接点をもつことから始めたいという方にも向いています。
食品製造業務では、焼き菓子(パンやクッキー)、加工食品(ジャムや漬物)、弁当などの製造を担当します。
一定のスキルが必要ですが、創造的な作業によって達成感を感じられ、やりがいを得られる作業です。衛生管理についても、学びながら働くことができます。
小物や雑貨製造では、手芸品(編み物や刺繍作品)、木工製品、キーホルダー、アクセサリー、石鹸やキャンドルなどを製造します。
事業所や出張所で販売することで達成感を得られ、自信を得やすいのが特徴の作業です。
野菜や果物、花の栽培と収穫、花壇の手入れや植木の剪定といったガーデニング作業もB型の作業として一般的です。
自然と触れ合い、四季折々の情緒を感じながら作業をすることで、心身のリフレッシュ効果も期待されます。
就労継続支援B型で作業した対価は、給与ではなく「工賃」のかたちで支払われます。
B型では雇用契約を結ばずに作業を行うため、月収や日給ではなく、作業量に応じて工賃が発生します。
工賃の支払額は、事業所ごとや地域ごとに違いがあります。
厚労省が公表した資料では令和6年度の平均工賃は2万4,141円(月額)でした。
時給に換算すると約230〜250円となります。
平均工賃は、毎年2,000〜3,000円程度ずつ上昇していますが、生活のすべてをカバーできる金額ではありません。
そのため、家族のサポートや行政の支援と合わせて自立した生活を目指す必要があります。
就労継続支援B型事業所の利用料は、原則1割負担です。
ただし、利用者さんの世帯所得に応じて上限額が決まっており、その額を超えることはありません。
しかし、生活保護世帯や非課税世帯であれば、減免措置が適用されるため0円で利用することができます。
また、利用期間も明確な上限はありません。体調や状況に合わせて長期間利用することも可能です。
体調によっては、B型を利用しながらA型への移行や一般就労へのチャレンジを行うこともできます。
また、通所が難しい場合は送迎サービスを受けたり、医療機関と連携した生活サポートを受けたりすることもできます。
これらは、一人ひとりの状況に合わせた「個別支援計画」に基づいて適切に行われます。
支援計画は初回ヒアリング後も定期的に見直され、都度目標の再設定や必要なサービスの変更を行うことができます。
利用開始までには、いくつかのステップが必要です。
・事業所探し
・見学と体験
・自治体への申請
・受給者証の発行
・利用契約
事業所探しが難しい方や、どこからはじめたらいいか分からない方は、お住まいの市区町村の福祉課や、ZEROのような事業所のお問い合わせ窓口へ相談してみましょう。
不安を解消するお手伝いをいたします。
このステップの中でもっとも重要なのが、「見学と体験」です。
事業所は自分に合ったところでないと通所が難しくなるため、即決することなく体験をすることが重要です。
通いやすいかどうかというアクセス面、事業所やスタッフの雰囲気など、一度目で見て確かめて、作業体験をしてみましょう。
就労支援B型は、体調に不安を抱える方や、日によってできることに波がある方が社会参加をするための場所です。
B型では「一人ひとりが自分らしく働ける」ことをもっとも重要視しているため、それぞれに合わせた個別計画を作成し、自己実現のために必要なサポートを実施しています。
自分に合った働き方を見つけ、共に自立した生活を目指してみませんか。

2026/01/30
はじめに.
生活保護の受給、就労支援の利用は、併用できます。
どちらが先でも可能ですが、一般的に多いのは、生活保護の申請を完了させてから就労支援を検討するという順番です。
今回は、生活保護を受給しながら就労支援を受ける場合の一般的な流れ、注意点などをまとめました。
就労支援は、障がいや疾患のある方が無理なく、そして継続的に働くためにさまざまなサポートをする制度です。
就労支援の主な目的は、障がいや病気、個々の特性に応じたサポートを受けながら職業訓練、職場体験など「働くためのスキル、経験」を身につけることです。
就労支援は「働きたいのに制約などにより働けない」状態にあることが利用条件なので、アルバイトはやむを得ない事情がない限り原則として禁止されています。
これは、アルバイトができる状態は「単独での就労が困難である」という就労支援サービスを受ける前提条件と反しているためです。
しかし、預貯金が充分でなかったり、家族からの援助がなかったりすると、就労支援を受けている間の生活に困窮する可能性があります。
そんな時は、生活保護を検討しましょう。
生活保護を受給することで、自立した生活を送ることができるようになります。
生活保護と就労支援(就労移行支援)は、こうした関係にあります。
よって、併用することが可能です。
生活保護制度の目的は、2つあります。
1つは「健康で文化的な最低限度の生活の保障」です。
2つめは「自立の助長」です。
2025年の生活保護を受給している方の人数は、約200万人です。
リーマンショックや東日本大震災で一時的に増加した時期もありますが、近年はゆるやかな増減を繰り返しながら200万人前後で推移しています。
生活保護を受給している人のうち、どれくらいの割合が就労支援を利用しているかというデータはありませんが、受給者の約半数は就労について何らかの支援を併用しているといわれています。
なお、生活保護と就労支援の併用には一定の条件が必要になります。
次の項で、詳しくみていきましょう。
繰り返しになりますが、就労移行支援と生活保護は併用できます。
併用できる条件と、利用までの一般的な流れ、注意点をまとめました。
生活保護と就労以降支援を併用するには、以下の4つの条件すべてを満たしている必要があります。
最低生活費は、法律で定められた最低限の生活を送るのに必要な費用のことです。
最低生活費は居住地、世帯人数と世帯の年齢構成によって変動するため、自治体に確認が必要になります。
東京都では単身者で月額10〜13万円程度が目安とされています。
生活保護の受給は「働きたくても働けない」状態であることを、第三者によって証明してもらう必要があります。
病気やケガの場合は医師の診断書、障がいのある方は障がい者手帳や、医師かそれに準ずる立場の人による証明書を提出します。
家族・親族から生活費の援助が受けられる場合は、生活保護よりも援助が優先されます。
土地・家屋、預貯金などの資産がある場合、売却して生活費に充当することが生活保護よりも優先されます。
原則として車も保有は認められません。しかし例外として、公共交通機関が少ない地域や車がないと日常生活を送るのが難しい、子供の送迎に不可欠であるというケースでは車を保有したまま生活保護を申請できる場合もあります。
エアコン、ストーブ、冷蔵庫、電子レンジといった生活に必要な家電は「生活必需品」なので保有したまま生活保護を申請できます。
生活保護受給と就労支援を併用したい場合、一般的にはまず生活保護の申請を行うことになります。
生活保護の申請は、住んでいる地域の福祉事務所が担当しています。生活保護担当の窓口があるので、相談してみましょう。
福祉事務所では、今の経済状況、就労の有無などをヒアリングして、生活保護が必要かどうかの確認が行われます。
ヒアリング後、生活保護の申請書を提出します。
福祉事務所は、申請書に書かれた内容に基づいて次のような調査を開始します。
・家庭訪問(生活状況の調査)
・資産調査(預貯金、不動産、保険など)
・働ける状態かどうかの調査
・家族や親族が援助できるかどうかの調査
これらの調査内容を総合的に判断して、支給の可否が決定されます。
なお、生活保護支給についての回答は、原則として申請してから14日以内に行われます。
生活保護を受給している場合、就労移行支援の利用料は無料になります。
就労移行支援の自己負担額は、所得ごとに区分があり金額が決められています。生活保護を受給している場合、もしくは区分「低所得」の市町村民税非課税世帯は、利用料が無料です。
しかし、利用料が0円でも、交通費や昼食代などの実費は原則として自己負担となるので注意が必要です。
生活保護を受給していても、障害年金を申請することはできます。
しかし、障害年金は生活保護において収入とみなされるため、障害年金の支給額は生活保護から減額されることになります。
また、障害年金の支給額が生活保護を上回った場合、生活保護の受給は終了します。
就労支援の利用は、自立した生活のための大きな一歩です。
生活保護を受給することで、より安定した状態でスキルを身につけたり、トレーニングを行ったりしやすくなるでしょう。
生活保護を受給しながら就労支援を利用する場合、知っておくと役立つポイントが2つあります。
生活保護受給者の就労支援サービスの利用は無料ですが、交通費などは原則自己負担となります。
しかし、社会保険料、税金、交通費は「必要経費」として、収入認定時に控除されます。
勤労のための被服費や教養費なども、必要経費として控除の対象になります。
これを「勤労控除」といいます。働いて得たお金がなるべく手元に残るようにすることで、就労への意欲を高める仕組みになっています。
なお、「収入認定」とは、受給者の得る金銭(給与、年金、仕送りなど)を生活保護費から差し引く計算のことです。
生活保護と就労支援は併用することで、より安定した状態で自立へ向かいやすくなります。
スムーズにサービスが受けられるよう、就労支援と制度利用の流れについて、かんたんにおさらいしておきましょう。
就労支援、就労移行支援とは、障がいや病気によって就労が困難な方をサポートする制度です。
就労するために必要なスキルの習得、訓練を行うほか、就労後も継続的に働けるよう支えていきます。
まずは、「見学」からスタートします。
実際に事業所を見学したり、現状を相談したりすることが就労への第一歩となります。
本格的に利用する前に、一ヶ月程度のお試し期間である「体験」が設けられています。この期間に事業所との相性や、この環境で頑張れるかどうかといった部分をチェックすることができます。
体験期間と前後して、支援内容の説明があります。この事業所で頑張れると感じたら「利用申請」、「認定調査」に進みます。
自治体の障害福祉課へ利用申請を提出すると、ヒアリング調査など就労支援の利用に必要な手続きが行われます。
就労支援は、一ヶ月程度の「体験」以外に「暫定支給」の期間があります。
暫定支給の期間は約一〜二ヶ月で、この間に改めて利用者にとって適切なサービスかどうかを見極めることができます。
それと並行して、利用者一人ひとりに合わせた個別の支援計画書が策定されます。
就労支援は、生活保護を受給していても、この計画書に沿って最長2年間利用することができます。
生活保護と就労支援について、よくある質問をまとめました。
Q:今現在、暮らしに困っています。自立するためには、生活保護と就労支援のどちらから先に相談するのがいいですか?
A:まずは、先に生活保護の申請を行うと良いでしょう。生活保護を申請するとケースワーカーとの面談を通して、就労支援が適切な状態かどうかを判断できます。
Q:車を処分しないと生活保護の受給はできないのですか?
A:自動車は原則的に「資産」とみなされます。
しかし、子どもの送迎に不可欠であるなど正当な理由があれば、車を保有したまま生活保護を申請することもできます。
担当者に相談してみましょう。
Q:就労支援のサポートを受けている間にアルバイトはできますか?
A:原則として、就労移行支援を受けながらのアルバイトは禁止されています。やむを得ない事情がある場合は許可されることもありますが、無許可でアルバイトをすると支援打ち切りのリスクがあるのでやめましょう。
隠れてアルバイトをするよりも、生活保護を申請した方が、安心して自立へのサポートを受けることができます。
就労支援は、生活保護の受給と併用できる福祉サービスです。
どちらも、生活や就労に困難を感じている方をサポートする制度であり、無理のない方法で自立するための道筋を一緒に検討してくれる担当者がいます。
ZERO(ゼロ)では、就労支援を通じて継続的な就労を支援しています。
継続的な就労の先にある安定した生活、自立した暮らしに向けてサポートします。
気軽に相談や見学にお越しください。




